専業ブロガーがYouTubeのまとめ動画chに記事を丸パクリされたので弁護士に頼ってみた

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はじめに、この話は筆者の実体験ですが、個人や企業の特定を避けるために一部ぼかしています。
この出来事を記事にすることは関係者全員が了承済みです。

筆者は昨年まで5chまとめブログを運営していました。

その運営中にに起きたトラブルと、弁護士を通して対処した時の体験談をお話しします。

もし今後、似たような体験をすることがあった際にこの記事の内容が役に立てば幸いです。

きっかけはアナリティクス

それは2022年3月のことでした。

当時はアクセスも毎月数百万PVで安定していて、アナリティクスに目を通すことはほとんどありませんでした。

ところが、ふと思い立ってアナリティクスを見てみた時に、なぜかYouTubeから10件ほどのアクセスがあったのです。

1週間ほどYouTubeからのアクセスが続いたので調べてみると、それは1か月ほど前から始まっているようでした。

気になってブログのURLをYouTubeで検索してみたところ、1つのまとめ動画を投稿しているチャンネルがヒットしたのです。

まとめ動画とは?

ここで、まとめ動画についての説明を挟みたいと思います。

まとめ動画とは、まとめブログの動画版で5chに書き込まれた内容を動画にして音声読み上げソフトに読ませる形式の動画です。

実際に観たことのある方も多いのではないでしょうか。

当時はちょうどまとめ動画が多く作られるようになり始めた時で、何本もの動画が投稿されていました。

問題のパクリ動画を発見

自分のまとめブログのURLを検索して出てきた動画は見事に筆者が投稿していた記事を丸パクリしていました。

まとめブログの性質上、引用元が被れば同じ内容の記事ができてしまうのは仕方ありません。

ですが、この動画は抜き出したレス、レスの順番、文字の色、おまけに筆者が作成したサムネまで完全一致です。

また、レスだけでなくその記事に書き込まれたコメントも「ネットの反応」としてそのまま使用されていました。

まとめブログの著作権

そもそも、なぜパクリ動画だとわかったかというと、動画の構成が記事と一致しているのもあるのですが、ご丁寧に概要欄内に書かれた引用元に筆者のブログのURLを載せていたのです。

まとめブログ(まとめ動画)を作成する場合、引用元のスレッドのURLを表記しなければいけないのですが、何を勘違いしたのかこの投稿者はパクった記事のURLを素直に引用元として記載していたのです。

筆者のブログへのYouTubeからのアクセスはこのリンクを踏んできた人だったのでしょう。

まとめブログ内のレスに対する著作権は書き込まれた5chのものですが、それをまとめて出来上がった記事に関しては作成者が権利を有します。

そういうわけで、この動画は明らかな著作権侵害動画だったというわけです。

YouTubeに著作権侵害を報告

このチャンネルには50本ほどの動画が投稿されていて、そのうち15本ほどが筆者のブログ記事から丸パクリしたないようでした。

残りは引用元が様々なまとめブログのURLになっていたので、おそらく別のサイトから丸パクリしたのでしょう。

投稿されているすべての動画の概要欄を確認し終えて、これは確信犯だということですぐさまYouTubeに通報です。

さて、YouTubeに投稿されている動画になんらかの問題があって削除してほしい場合、3つの方法があります。

1つ目は動画投稿者に直接コンタクトを取って削除してもらう方法。

ただし、今回は連絡先やSNSのアカウントが記載されていなかったのでこの方法は使えません。

2つ目は各動画ページ内の「報告」をクリックして通報する方法。

下の画像のような表示が出るので、動画を報告するに至った理由を選択して送信すれば、YouTubeのポリシーチームが然るべき対応をしてくれます。

ですが、これも3日ほど待ちましたが動きがなかったので諦めました。

最後に3つ目、もっとも確実だが手間のかかる方法が著作権侵害の申し立てによる動画削除リクエストです。

YouTubeの動画削除リクエスト方法

YouTubeに投稿された動画に自身の著作物を無断で使用された場合、著作権侵害の申し立てを行うことができます。

もっとも多いのは自分の投稿した動画を他人に使用されたパターンでしょうか。

その場合はContent IDという仕組みで相手の動画のブロックや収益の分配を行うことができるのですが、今回は当てはまらないので、別の方法です。

①ブラウザからYouTubeにアクセスして自分のアイコンマークをクリックし、「YouTube Studio」に進む

②「著作権」をクリックし、「新しい削除リクエスト」へ進む

③下の画像のページが開くので、必要事項を記入して「送信」をクリック

④完了

ここから著作権侵害を申告する場合、著作者の本名や著作物の種類、対象動画のURLとその動画のどの部分が著作権を侵害しているかなど詳細に説明する必要があります。

また、法的に確かな証拠がなければ申告はできず、仮に嘘の通報をしてしまったら逆に偽証罪などに問われる可能性もありますのでご注意ください。

埒があかず弁護士に依頼

こうしてようやく筆者の記事の丸パクリ動画を投稿していたチャンネルは削除されました。

ところが、何を思ったのか数日後に相手が著作権侵害とチャンネルを削除されたことに対する異議申し立てを行い弁護士を立ててきたのです。

こうなってしまっては、もう個人で対応し続けるのは悪手だと思い、こちらも仕方なく弁護士に相談することにしました。

解決までに2か月

結果は火を見るよりも明らかで、10:0で相手の責任です。

実際、最初の段階で双方の弁護士から相手側に非があることを説明してもらったので多少なりとも安心することはできました。

ですが、お忙しい弁護士同士のやり取りに加えて双方の証拠を集めて一件ずつ照らし合わせながら確認という作業にどうしても時間がかかってしまい、解決までに約2か月を要することになります。

最終的に示談金40万円で解決

最終的には相手側から示談交渉が持ち込まれ

  • YouTubeチャンネルの削除
  • 示談金40万円の支払い
  • 今後、同一の手法による動画作成は行わない
  • 今回の出来事をいずれブログ記事にすることに対する了承

上記の条件で示談を受けることになりました。

こちらに非がないと分かっていても弁護士とのやり取りは消耗するものがあり、精神的な負担は大きかったです。

弁護士への支払い分を抜くと取り分は20万円程度でしたが、それが早く終わるならという思いでの示談受け入れです。

こうして、筆者の人生初となる弁護士への依頼は幕を閉じました。

まとめ

というわけで、筆者がブログの記事を丸パクりされて戦った話をさせていただきました。

弁護士とのやり取りはとにかく精神的に大変で、削られるものがあります。

YouTubeの動画に関して著作権などで困ったことがあれば、まずは相手との連絡を試みてください。

それがダメならYouTubeに通報、それでも解決できない場合はこの記事で紹介した方法を実行することになります。

結果的に自分のブログを守ることはできましたが、かなり大変な思いをしたので、できればもう二度と経験したくないものです。